2014年4月1日火曜日

清貧を強いるのはやめよう 〜正当な評価をしてこなかった人たちへ〜

世の中には「オーガニック=清貧」というイメージがあります。
これは日本だけでなく、世界的にも言えること。

体にいいものは心にもよく、
意地汚くお金儲けの道具になってはいけない
そんな気風が蔓延していると思います。

でも、本当によいものは、決して安価ではありません。
吟味された原料やこだわりの容器、統一された世界観を
維持するためには莫大なお金がかかるのです。

本来、工業製品の方が安く安定して供給できます。
しかし、安価な供給が難しい「オーガニック」に
私たちは理想を押しつけ、無理難題を強いてきたと思っています。

昨日、英国のプレミアム ラグジュアリー オーガニックブランドである
バンフォード」の発表会がありました。

その時に日本法人の社長・梶原建二さんと
お目にかかり、こんな言葉を聞きました。

「生産者の顔が見え、そして彼らの生活を支えるために
オーガニックこそ、ラグジュアリーであるべきだ」と。

これを聞いて、ボクが長年、モヤモヤしていたことが解決しました。
なぜなら、本当によいものは「安いわけがない」からです。

オーガニック化粧品の原料を育てるのは本当に大変です。

思い立った時から、ただ、有機栽培をすればいいというわけではなく、
植物を育てる土地で、もし以前に化学肥料を使っていたら、
それらの影響を取り除くことから始めなくてはなりません。
とてつもなく膨大な時間と作業を要します。

そこまでしてもなお、生産者は崇高なオーガニック教のために
安く原料を供給しなければならないのでしょうか?

時間と技術と労力がかかれば、それの対価は高くなるはずです。
でも、世間的にはオーガニックの御旗の元、
清貧を余儀なくされるのはおかしなことだと思いませんか?

梶原さんは「次世代のオーガニックがこれです。
10年後、そんなことが話題に上ったな、
と振り返るときがきっと来るでしょう」とも語っていました。

ボクもまったく同感です。

話は少し逸れますが、日本ではお金の話をするのは
卑しいことだという風潮があります。

でも、相手をリスペクトしていれば、こんな馬鹿げたことはありません。

たとえば、今、話題になっているブラック企業での労働問題も同じ。
アルバイトであろうと、正社員であろうと、
時間と労働力を対価にお金を得ることは決して卑しくなんてありません。
長年のデフレで価格を不当に下げることに慣れてしまい、
しわ寄せが弱者に来てしまいました。

これが、オーガニックコスメの場合、
原料である植物などの生産者に当てはまります。
努力に見合った対価がきちんと循環することが何よりも重要なのです。

それはまるで、きちんとした原料から採られた精油が、
経皮吸収されて全身に回るのに似ています。

バンフォードの創始者であるレディ キャロル・バンフォードさんは
2002年に食品を取り扱う「デイルズフォード・オーガニック」を起ち上げ、
まずは食への安心を確立しました。
そして2006年に「バンフォード ヘイバーン スパ」に至ったとのこと。

例えば、ボディのスクラブ剤
「ボタニック シュガーポリッシュ」は200mlで8000円します。
また、250gとかなり大きいとはいえ、体を洗う石けんも3800円。
赤ちゃん用の「オーガニック ベビーバス アンド マッサージオイル」は
100mlで5000円という価格です。

でも、これは生産に関わるすべての人をリスペクトした結果、
ラグジュアリーになったということ。

そして、初の海外進出先に日本が選ばれたということは、
とても光栄なことだと思います。
日本人はその真のオーガニックの価値認め、
正当に評価できると思われている証拠でしょう。

本物のオーガニックに触れたくなったら
伊勢丹新宿店ビューティアポセカリーへ。
4月9日より発売していますよ。

そんなことを考えていたら、ぜひこの目で確かめたくなりました。
初夏、英国・コッツウォルズへ旅立とうと思います。

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